建設業簿記の特徴は、原価科目にあります。原価計算から得られる数値を複式簿記に組み込むことが製造業の工業簿記から主勘定を取り除き簡素化を計った商的工業簿記と決定的に違うところです。併せて、原価管理こそが建設業の管理会計の最も重要な要素であり、原価を征するものが建設業の管理会計を征すると言っても過言ではありません。
 例えば、建設業簿記には、工事原価にかかわる未成工事支出金、当期完成工事原価、建設仮勘定の三大主勘定に補助科目があることで、前受金、未成工事受入金、前渡金などを工事別に分類仕訳とする原則があります。これを集計することで、建設業簿記特有の威力を発揮します。しかしながら手動で行うとなると、商的工業簿記に比べ、3倍〜5倍の労力を必要とします。

この他にも、建設業簿記の具体的な特徴のひとつである原価三表があります。
原価三表とは、
1. 実行予算管理表(完工原価の至近数値の予測)
2. 未成工事進捗表(計数出来高と現場出来高の対比、立替勘定の把握)
3. 工事別損益計算書(完工原価検収と実行予算表の対比)
の3種類です。

 さらに具体的な特徴に、建設業を営む者は税法上、法人の事業概況説明書の他に下記帳簿類の保管義務の法制化があります。下記の条件を充たすには、建設業簿記で財務管理会計を行う必要があります。(法人の事業概況説明書等保管帳簿名記載)
1. 工事日報

《現業員が、年月日ごとに従事した現場名および工事名を就業時間に携わる自〜至までの主なる作業名を記載した日誌簿》
2. 工事台帳

《工事別に請負契約額・材料費・労務費・外注費・経費などを記載した台帳》
3. 見積台帳

《完成工事高・工事未払金・未払金・未払費用などの見積書控、または、綴り》
4. 工事契約書

《工事請負契約書・注文書・注文請書類の綴り》
5. 材料受払簿

《原材料・貯蔵品などの社内入出庫伝票》
6. 工事経費帳

《工事別経費が取引先・勘定科目・補助科目毎に摘要記載の帳簿》
7. 出面帳

《出勤簿・タイムカードなどで在職者の確認ができる帳票》
と、なります。

 これらのことを合わせて考えますと、財務三表はもとより、原価三表を扱うことができるプログラムを構築することができれば、建設業簿記に飛躍的な合理化と省力化をもたらしますが、これを実現したのが「金次郎」なのです。

 「金次郎」の実行予算管理表は、類似発注先、類似件名、類似契約額の工事台帳を参考にして作成するため、完工後の工事台帳の至近数値を計上することができる、非常に重要な機能を搭載しています。これが建設業者にとって、すばらしい知的財産になります。
 「金次郎」と他社製ソフトとの大きな違いは、実行予算管理での原価管理システムです。
 財務管理会計にも「金次郎」は、優れた性能を持ち、個々のデータをさまざまな管理システムを一元化することで、今までにはない財務管理会計の成果を提供します。

 「金次郎」はまさに、建設業簿記の特徴を把握し作られています。このようなことが実現できるのも、「金次郎」の開発会社である弊社が、建設業を自ら営むということと大きく関係しています。
 弊社は、実際に工事を請け負い、仕事が進捗していく中で起きる数々の問題を経験しています。それらをいかにして管理し、会計業務へ反映させるかを、現実のものとして直接肌で感じながら、ノウハウとして蓄積しています。

 「金次郎」の開発にあたり、数拾社の建設業会計の実データを解析して再構築し、プログラムとして実装してあります。建設業のための管理会計のノウハウが蓄積された「金次郎」を会計業務に採用することで、建設業簿記に精通していなくても、建設業簿記の恩恵を受けることができます。