弊所の指導監修下で開発された、建設業の原価管理&財務管理会計システムの一元化とその起動理論は、東京都・経済産業省に於ける、中小企業経営革新法に基づく承認を受け、そのノウハウと神髄を全国の中小建設業者に、非営利で推進する、建設簿記推進会、日本建設業簿記研究所の最大の目的は、中小建設業者が健全経営を行うことにあります。
当研究所は、建設業簿記に於ける知識の普及啓発、検収指導を行いながら経営の安定化を促進し、建設業の効果的なコスト削減等、建設業界の活性化を推進し、後継者が安心して継承ができる建設業を目的としています。
建設業は平成不況に重ね、大変革の時代の到来に、累積赤字や粉飾決算を余儀なくされ、長期借入金が増える傾向にあります。併せて昨今の建設業者の軒並み赤字要因は、一概に公共工事の談合崩壊、破格安値が原因ではないようです。その要因は自社の完工原価の至近数値を予測する知的財産の欠落と、商的工業簿記の曖昧さにあるようです。
金融機関の融資条件も、従来の財務三表(貸借対照表・損益計算書・資金繰表)に併せ、原価三表(工種別実行予算管理表・工事別未成工事進捗表・工事別損益計算書)を要求する等、年々厳しい状況にあります。 近年の建設業融資額は、ピ−ク時の42%(▲58%)となり、可成りの貸し渋りの傾向にあります。
日本の基幹産業である建設業の財政投資額は、平成4年のピーク時で84兆円(60万社600万人、一社平均10人)、当時の国内総生産(GDP)の6.2%であり、うち土木工事費が4.2%(土地代共)でありましたが、平成14年の小泉内閣の財政再建に依り毎年3%の削減が、建設価格の崩壊を招いております。
平成21年度の建設投資見込額は、ピ−ク時の45.84%(▲54.16%)の38兆5千百億円迄減額し、これで下げ止まりかと思われますが、昨今の民主党のコンクリ−トから人への政権下では、その判断はしかねます。
欧米先進国の社会資本は、ほぼ完備され、GDPの1〜2%であるようですが、いずれ日本も同様に減少する傾向にあります。財政投資額の減少にも拘わらず、建設業者が減少しない要因は、元請、下請、孫請、曽孫請等の発註形態にあります。この形態が永年雇用を満たしてきましたが、受註難にあえぐ元請離れの結果として、公共工事の低入札の参入など、建設破格の起爆剤になりつゝ在ります。
昭和35年代の日本の農業従事者は約1300万人、平成15年には260万人(▲80%、1040万人)にまで減少し現在に至っております。農業とも水産業とも異なる建設業は、バブル崩壊と共に需要と供給のバランスが喪失し、共食い状態になり兼ねません。
収益が悪化傾向にある、中小建設業者ほど改革が必要であり、業種外簿記の商的工業簿記から建設業簿記への是正、償却資産を定率法から定額法への移行、決算月の変更など、利益を生み出す改革は無限にあるにも拘わらず、改革の形跡すら伺えないのも、中小建設業であるようです。
決算月の選定は、顧問税理士の最も暇な月、あるいは仕掛工事(未成工事支出金)の減少月などに限定されているようですが、設立者には何故に当該月が選択されたのか理解しがたい現実も少なくありません。
日本の簿記の由来は大福帳から、明治維新に中国依り大陸式と称する販売業(現金主義)の商業簿記が渡来し、富国強兵の国創りとして、英国から長野県安曇野に、生繭から絹糸を抽出する自動織機の輸入に併せ、製造業の工業簿記が導入しました。
昭和初期に製造業の工業簿記から、建設業簿記が分離修正され同時期に、米国から製造業の工業簿記依り、仕掛品(棚卸資産)当期製品製造原価(建設業簿記の未成工事支出金)当期製品製造原価(当期完成工事原価)を判別する主勘定を取り除き簡素化を図った商的工業簿記が導入され、建設財務を賄うに至っております。
(主勘定を取り除き、日常の仕訳伝票の記載を簡素化しましたが、決算期末に曖昧な洗い替えが必要になり、現実の完成工事原価に、約8%の違算が生じるようです。)
業種が異なれば簿記が異なり、簿記が異なれば原価が異なるのは企業会計の必須条件にも拘わらず、何故に中小建設業者は、業種外簿記である商的工業簿記で建設財務を行うのか・・・、税法上は例え曖昧でも継続性を有すれば、追徴課税は免れるようですが、その要因が収益悪化の起因となるのです。
製造業には工業簿記、建設業には建設業簿記、林業には林業簿記、農業には農業簿記、漁業には漁業簿記(作る、育てる、捕る)があるように、建設業の建設業簿記は、未成工事進捗中の現場経費を、棚卸資産にする主勘定が未成工事支出金であり、完成工事高の計上に依り、棚卸資産の未成工事支出金を、当期完工原価報告書の損益計算書に移行させるのも建設業簿記の特徴です。
(商的工業簿記とは、商業簿記の手法で製造業の取引を記載する方法であり、材料・仕掛品・製品などの棚卸資産を決算時に棚卸高を計算し(期首棚卸高+当期受入高ー期末棚卸高)という式に当て嵌めて、材料消費高・製品完成高・売上原価などを計算する通称「経理の丼勘定」と称し、商業資本主義の時代には、商的工業簿記によってそれなりに企業活動の内容を記録していました。)
(産業革命に伴い工場性企業が台頭してくると、原価を測定する為の、より正確な手法が必要になり、現在の原価計算法が発生し、同時に商的工業簿記は衰退しました。現在の日本では、一部の中小企業の製造業か、建設業しか用いられていないのは、このような製造勘定は丼勘定の原型であり、19世紀後半のアメリカでは、多くの企業で採用されていましたが、現代では実質原価計算が主流であり、旧来の棚卸計算方式は、非常に不効率という考え方であるようです。)
高度成長期は無論のこと、バブル崩壊に至っても、費用とされ納税を免れた、決算期末の未成工事直間経費配賦額(資産勘定)など、建設業本来の会計業務に戻さぬ限り、どうあがいても収益の悪化は避けられぬ建設業程、商的工業簿記の会計業務を建設業簿記に替えざるを得ない時代の到来です。
建設業簿記の特徴は、建設業を熟知する経理員が在職するか否かに、使用する部材も材料費、仮設経費なのかの判断も儘ならず、指導をする税理士も建設業の知的財産は意外に希薄であり、現行の税法も同様に費用と収益が、申告基準でありますので、業種外簿記の選択には規制がありません。
商的工業簿記の欠陥すら認識出来ない、中小建設業経営者程、平成不況と大変革な時代の到来に、コストダウンを余儀なくされ、且つ可能不可能に拘わらず、優れた技術や戦略的な経営能力を持たない限り、どうあがいても倒産廃業が終着駅名の弾丸列車の乗客になり兼ねません。
商的工業簿記最大の欠陥は、決算報告書の工事原価が曖昧になり、取り返しのつかない損失を被ります。 現実には黒字決算にも拘わらず赤字になる傾向が大半で、希に逆転する可能性も多々あるなど、個別工事の損失は少額でも、その積み重ねが致命傷となりかねません。
元来建設業は粗利30%が可能であり、如何なる不況にもそれなりの受註が確保されましたので、原価管理や危機管理には疎い業種であるようです。しかし今後共それを可能にする保証がないにも拘わらず、建設業の原価計算は、積算価格から積算原価を相殺する、ドンブリ計算は、確かに粗利30%を有するものと錯覚しますが、最新のコンピュ−タステムの解析に依り、昭和40年代前般迄は、それらを可能としています。
しかし昭和40年代前般にみられない、社会保険料等の法定福利費、上乗せ労災保険料、履行保険料、車両運搬具の対人対物保険料、減価償却費、機械等経費、修繕維持費、月極駐車料、携帯電話料等の通信交通費、電子機器の導入運営費用など、積算原価に反映されない共通原価の直間現場経費は、原価三表に算入される形跡はなく、その欠落は粗利の3割を有に凌ぎます。
昨今の建設業の原価三表に、共通原価の直間経費を加算した後の粗利とは、精々20%前後となり、適正利益の捻出すら儘なりません。建設業の適性利益とは、会社を維持する最小限の必要経費であり、完成工事高(売上高)−建設原価=売上総利益(粗利)−管理販売費+営業外収益−営業外費用+特別利益−特別損失=+−0額を適正利益と称し、決して儲けではありません。
私共は、建設業のドンブリ経営が起因する、決算報告書の当期完工原価に疑問が生じ、幾多の有識者に指導を試みましたが、納得のいく解答を得られぬ儘に電算化に着眼しました。その後20数余年の開発歳月と膨大なる開発研究費は、究極の原価管理と称する手法を確立しました。
その起動理論は、全ての原価三表とそれに付随する管理帳票を、建設財務(経理)の副産物として、数百円の雑工事から、数10億円の件名工事に至る迄、原価管理帳票は作るのではなく、自動で出来る手法を確立し、その手法はリアルタイムに画面検収、帳票抽出を可能とし、各社各様が曖昧な原価三表の作成に人件費を費やす意味がありません。併せて経営全体の把握が随時行える手法を私共は究極の原価管理と称します。
建設業の原価管理とは、自社の完工原価の至近数値を予測する「工種別実行予算管理表」、予算実行率を対比追従する「月次起工額」、進捗状況を経費的に把握する「工事別未成工事進捗表」、損益を管理する「工事別損益計算書」(含む代人別)などの原価三表に併せ、顧客毎の損益を管理する「顧客別損益管理表」などの未成工事進捗中は、貸借対照表の棚卸資産となる未成工事支出金とならねばなりません。
完成工事高(売上高)の計上に依り、棚卸し資産の未成工事支出金が、合計残高試算表の当期完成工事原価の損益計算書に、補助科目毎の移行を可能にし、全ての原価帳票が工事別、主勘定毎の補助科目計毎に違算なく、合致確立する手法を習得せざるを得ない時代の到来です。
建設業の現場経費を原価とする起点とは、口頭、或いは、文書等の契約締結後に発生する現場経費から、原価三表などに工事別に記載する原則があり、契約締結前の引合現調、設計積算現調、設計積算図の作成、設計積算、法定講習休日、有給休暇、特別休暇、夜業明休などの賃金手当は、契約の履行不履行に拘わらず、共通原価の賃金手当として、別途計上し建設業特有の計算式で配賦する必要があります。
併せて、契約前の有料駐車料等の仮設経費、設計等のトレペ、感光紙等の事務消耗品費、携帯電話料、公共鉄道料の通信交通費などを共通原価の直接現場経費と称し、現場名は共通原価(直接費)、工事名は

ビル、主勘定は、当期完成工事原価、補助科目は仮設経費、主なる摘要は積算現調作業車駐車料などと計上しますが、発生月に全額損金になります。
共通原価の賃金手当に付随する、従業員賞与、退職金、法定福利費、福利厚生費、機械等経費(車両燃料等)、労務管理費(求人費用)、減価償却費、地代家賃、保険料、修繕維持費等、工事別に分類不可能な現場経費を、共通原価の間接経費配賦額と称します。工事名は共通原価(間接費)、主勘定は未成工事支出金、補助科目は上記ゴシック体補助科目、主なる摘要は現業員夏期賞与等と計上しますが、且つ、全ての共通原価直間経費は、建設業特有の計算式で、工事別に共通原価直接費、同、間接経費配賦額として分類計上する必要があります。
建設業の原価帳票の作成順位は、直接工事費、仮設工事費、共通仮設費、現場管理費等の直接現場経費下段に、共通原価の直接費、同、間接経費配賦額の五大款項目毎に小計を要し、工事別、取引先別、主勘定、補助科目、款項目別に分類計上しますが、直接現場経費計、共通原価直接費、同、間接経費配賦額計、完工原価計を要し、売上総利益迄を追従するのが、工種別実行予算管理表、管理販売費、営業利益迄を求めるのが、工事別損益計算書、工事台帳兼損益計算書、顧客別損益管理表と称します。
建設業会計と原価管理の一元化は、各社が各様の指定日に、経理担当者が工事担当者毎に当該月次起工額を配布、或いは、工事担当者が経理課に当該工事名の月次起工額の抽出依頼に併せ、当該担当者は工種別実行予算管理表の作成と、月次起工額を鑑みながら、毎月必着する請求書から、担当者毎の工事別材料費、工具・消耗品費、工具等の修繕維持費を抽出し、如何にコストダウンを図るかが重大な任務になりました。
自社の完工原価の至近数値を予測する、工種別実行予算管理表が、工事台帳兼損益計算書の副産物として、工種別、取引先別、補助科目別、款項目別、積算原価、実行額、予算実行率欄毎に、月次起工額が追従する起動理論は、各社が各様に完工原価の至近数値の抽出が可能になり、その起動理論は、建設業経営に最も煩雑な資金繰表の作成を簡素化し、翌月の資金繰表の作成は全自動、以降はシミュレ−ション機能で可能になるなど、建設業経営には必要且つ最大の知的財産になりました。
建設業を営む以上、原価管理は必須条件であり、それをやり遂げる気力も知的財産も得られぬのが、中小建設業者であるならば、建設業会計と原価管理の一元化に人生を費やし、いかなる事業所でも、建設財務(経理)の副産物とし、原価三表の自動抽出を可能にすれば、その根源である会計業務が税理士に丸投げでは、国土交通省が目論む20万社の淘汰もやむを得ない現象なのかも知れません。
例え必要且つ可能でも、その手段と方法が曖昧では、この厳しい建設不況を乗り切れる、戦略的な経営指針には至りません。そもそも建設業とは、姿形を目視し、諸先輩から工法などの指導を受け、躰で覚える職業でありますので、先見の明や無から有を生み出す習慣のない全国の建設業者に、究極の原価管理と称するセミナ−を開催する私共を、夏の風物詩「鮎の友釣り」同様に、友馬鹿と言われる所以なのかも知れません。
第一章:これが究極の原価管理だ…
究極の原価管理とは、建設業法で定められる、僅かな原価科目の主勘定、補助科目毎に建設業特有の計算式を構築、未成工事進捗中の主勘定を棚卸資産とする仕訳項目が、貸借対照表の棚卸資産に、完成工事高(売上高)の計上により、未成工事支出金が当期完成工事報告書の損益計算書に補助科目毎の自動振替が可能になれば、全ての原価管理帳票は作るのではなく、経理の副産物として自動で出来るに至っております。
建設業の原価管理とは、工事毎の請負金額に値する、工事原価や損益を管理することであり、その手法はコストダウンを可能にし、将来得られる収益の向上が計れるにも拘わらず、建設業を営む以上、原価管理は必須条件であるにも拘わらず、原価管理を可能とする知的財産も、指導者にも恵まれぬ中小建設業の現状では、やむを得ないことなのかも知れません。
中小建設業者は業種外簿記の欠陥の認識はなく、只単に税理士に謂われる儘が現状では、貸借対照表の棚卸し資産の未成工事支出金を損益計算書に混在させる要因が期中損益を曖昧にし、その曖昧さを確定申告月に洗い替えと称し、完成工事高(売上高)のない、工事原価を仕掛工事として振り替えるなど、只単に納税を目的とする簿記の別名を不完全工業簿記とも称します。
建設業法に於ける建設財務(経理)とは、一般企業会計に建設業特有の計算処理(原価計算)を加えた会計業務であり、建設業法に於ける全ての財務諸表は、様式から勘定科目迄が規制され(旧建設大臣認定科目)建設業の許認可申請、更新、決算変更届、経営事項審査申請書、事業報告書、工事経歴書に至る迄、全ての財務諸表は、この様式に従ったものでなければなりません。
特に私共は、仕訳伝票の一枚々を精査し、資本的支出を損金計上する誤謬仕訳伝票の検収、複写元となる期首月の基本的仕訳伝票の起票、複写機能を最大に活用する手法など、指導料を上まわる利益償還のノウハウと実績があります。
決算終了後の経年検査、瑕疵担保等に類する工事名は、前期同様の略件名を前期損益修正損の工事名欄に記載し、主勘定も同様に前期損益修正損とすることに依り、営業損失を招かずに営業外費用となります。
20世紀末のインタ−ネットの出現は、建設破格の情報公開、公共工事の談合崩壊、指名競争入札の廃止、電子入札の導入などに併せ、最低制限価格の変貌(指名入札20%〜一般公開入札30%)などの変革が、不適格業者との競争を生み、コスト管理を余儀なくされるに至っております。
製造業は円高が起因し、原価管理は既に対応済みであり、現在はコストダウンに企業の存亡を賭けております。製造業に遅れること20数余年、100に一度の未曾有の時代の変革は、建設業が原価管理に対応する切っ掛けとなることを念じて止みません。
帳票名は異なりますが、経理担当者が作成する全ての財務帳票は、税法上の制約があり、預貯金などの残高相違は、金融機関の照合表と付合せが可能であり、それでも差異が生じるのは、旧来の紙面経理、或いは担当者の性格と思われます。同様に各社が各様に作成する原価三表も市販のソフトやシステムでは、整合性を対比検証する相手帳票がありません。
(相手帳票とは、月初発生工事原価が、月末に完成工事高(売上高)にいたらぬ場合は、合計残高資産表の棚卸し資産となる未成工事支出金(資産勘定)が、原価三表の一覧式未成工事進捗表と対比可能であり、完成工事高(売上高)の計上を有すれば、一覧式工事別損益計算書が、当期完工原価報告書の損益計算書に合致する帳票を相手帳票と称します。)
第二章:建設業の原価管理の手法とは…
建設業の原価管理とは、直接工事費、仮設工事費、共通仮設費、現場管理費等の直接現場経費に、共通原価の直接費、同、間接経費配賦額を要し、未成工事進捗中は、未成工事間接現場経費配賦額を併せ、五大現場経費と称しますが、この五大現場経費毎に計を要し、工事別、取引先別、主勘定別、補助科目毎、款項目順、工事別原価三表毎に分類計上する原則があります。
共通原価の直接費は、損益計算書に補助科目毎に、同、間接経費配賦額は、貸借対照表の未成工事支出金に、共通原価と称する仕訳伝票の記載、無記載に拘わらず、毎月必ず発生する共通原価の直間経費を如何にして、原価三表に違算なく合致させるかの配賦理論が、建設業特有の計算式を生みました。
共通原価の直接費の主勘定は当期完成工事原価、同、未成工事間接経費配賦額の主勘定は、未成工事支出金、これを誤って当期完工原価に計上すると、全額損金になりますので、これを防止する制御が必要です。大半の建設業者は共通原価の直接費、同、間接経費配賦額が欠落していますので、現実の工事原価に、約8%程の違算が生じるようです。
(教材16頁:従業員賃金手当集計表、19頁:共通原価賃金手当集計表、22頁:従業員賃金手当工事別残高表、24頁:共通原価間接経費配賦額表、26頁:同・直接経費配賦額表参照)
建設業の原価三表には担当代人毎に作成する現場型と、経営者が必見する管理型があります。現場型の原価管理を代表し、自社の完工原価の至近数値を予測する先行型の工種別実行予算表、経営者が必見する工種別実行予算管理表(総括表)、着工から竣工迄の現場経費を工事別に管理する守備型の工事台帳、工事別損益計算書(代人別)等の作成手法があります。
工種別実行予算管理表は、取引先別の直接費、勘定科目毎の材料費、従業員賃金手当、外注費、仮設工事費、共通仮設費、現場管理費順に記載され、代人賃金手当、補助代人賃金手当、共通原価直間現場経費順に記載し、その帳票の右半面は、当該現場経費の月次起工額が款項目毎に追従しますので、竣工時に3%以上の違算が生じる実行予算管理表では、まず実践には使えません。
経営者が必見する工種別実行予算管理表は、現場型の実行予算表とは異なり、積算原価の数量、単価などは不要であり、例えその後に違算が生じても、個別修正の必要はなく、電気工事業を一例にすれば、屋外キュ−ビクル類、配分電盤制御盤類、端子盤及ダクト類、照明器具類などが総括原価で収まれば、個々の単価や数量等を記載する必要はありません。
(教材30頁:工事別未成工事進捗表、32頁:合計残高試算 表の貸借対照表、33頁:同、損益計算書、34頁:商的工業簿記の貸借対照表、未成工事支出金が、決算期末の洗い替え迄、同、損益計算書)
建設業の粗利とは完成工事高(売上高)から工事原価を相殺した売上総利益と称し、請負金額以上の工事原価を「持ち出し」、売上総利益が管理販売費を下回れば営業損失(赤字)と称します。経常利益が赤字になりますと、外資系の損保会社程、公共工事履行保証保険の加入が困難になりますので注意が必要です。
自社の建設財務が、商的工業簿記か否かの検証には、損益計算書の完成工事高(売上高)を0円に至る迄削除し、精査しますと商的工業簿記は、完成工事高の有無に関わらず不変であり、同様の操作でも建設業簿記の当期完工原価は、貸借対照表の棚卸資産の未成工事支出金に移行しますので、共通原価の直接費と、それに付随する賃金手当は、当期完工原価の間接経費配賦額として留保します。
建設業は土木工事業、建築工事業、設備工事業等と許可業種毎に売上総利益(粗利)が異なりますので、明治維新後の電気工事業、管工事業、空調換気工事業等を設備工事業と統括し、管理販売費を含める損益分岐点は、如何ほどが妥当かの問答に大半の設備業者は30%と答えますが、一概に誤りではないようです。しかし現状では粗利30%の時代ではなく、管理販売費の捻出が可能か否かの20%前後が精々であるようです。
弊社顧問先の共通原価直接費は、契約額の約3.85%額、同、間接経費配賦額は、建設原価員賃金手当の約、40.5%額が平均値であり、分母が異なるので、100%にするために、完成工事高で再除算し、10.125%額となり、併せて13.975%額となります。
共通原価は粗利に求めるのではなく、工事原価そのものであり、管理販売費(完工高の約18%)を加算し、31.975%額となりますので、粗利30%でも、1.975%の損失を被り、併せて営業外費用も念頭におかねばなりません。管理販売費を18%にした理由は、国土交通省の一般競争入札参加資格者、約16万8千社のうち中小建設業者の平均値であるからです。
地方自治体が発註する公共工事(指名競争入札)の最低制限価格が8掛け(地方により異なる)にはそれなりの根拠があるようです。時代の変革は、東京都財務局の最低制限価格を80%〜85%に変更させるに至りっておりますが…。
共通原価の直接費のコストダウンは並大抵ではなく、同、間接経費配賦額の削減は、直営施工を外注施工に切り替える手法があります。外注施工の特徴は、設計積算等の共通原価の直接費3.85%額の削減は不可欠でも、同、間接経費配賦額(除く現場代人賃金手当)の40.5%額がありません。更に直接工事費、仮設工事費、共通仮設費、現場管理費、販売管理費等のコストダウンの進め方に今後の建設業の存亡が掛かります。
売上総利益(粗利)から抽出される管理販売費の値(率)は、持ち出し及び出血覚悟の完成工事高(売上高)でも増額すれば減少し、減額すれば増額します。完成工事高にこだわりますと、管理販売費の減少にも拘わらず、利益の出ない資金繰りに奔走する填めになりますので注意が必要です。
建設財務を指導する私共も、異業種の商品名は不明であり、その都度担当者に、材料費、工具・消耗品費、工具等の修繕維持費かの判断を依頼し、それにより直接工事費、仮設工事費、共通仮設費、現場管理費、あるいは共通原価かを問答しながら、主勘定・補助科目の選択を行います。
自社の完工原価の至近数値を、予測出来ない大半の建設業者は、公表される官公庁の予定価格を鵜呑みにし応札しますが、適正価格で落札させる官公庁も、ただ安ければと疑う程、不的確業者や区外業者を好んで指名に参入させる等、不況が生んだお役人様のなせる技かもしれません。
建設業者の大半は、工事を受注する積算と、完工原価が異なる現実を理解せず、昔から土をいじる業種程、やることなすこと丼と言われる所以がここにあります。国土交通省は建設業の所轄省でありながら、業種外簿記の欠陥の是正、建設業簿記の推進は愚か、建設原価の至近数値を抽出するセミナーすら開催せず、余剰中小企業約20万社(200万人)の淘汰を試み、建設不況の脱皮を図ろうとしています。
第三章:建設業法に定められる勘定科目とは…
建設業簿記が商的工業簿記と異なる主なる貸借科目とは、売掛金→完成工事未収入金、買掛金→工事未払金、発生時に損金とせぬ買掛金→未払金、管理販売費の買掛金→未払費用と若干主勘定は異なりますが、原価科目以外は大差はありません。建設業の原価管理は建設業簿記で会計業務を行う以外に方法はなく、さらに税法、労働基準法、建築業法を熟知する必要があります。
勤労者の法定休日とは、週一回の日曜日と12月29日〜1月3日迄であり、法定休日の出勤には、135%額の割増賃金を要しますが、当該振替休日には、100%を減額し、35%額を残すか否かが労基法の議論となります。上記以外の休日を社規休日と称し、週40時間の就業事業所は、休日出勤者の日額は要しますが、
割増賃金手当を支給する必要はありません。
時間外開始時刻、搬送残業等の計算の分母となる月額賃金の抽出方法は、一年52週×週40時間(2,080時間)÷12カ月÷8時間=21.67日(22日)、2.080時間÷12カ月÷7.5時間(午前午後の休憩含む)=23.1(23日)となります。
Ⅰ.
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直接現場経費は、取引先別、工事別、
主勘定別、補助科目毎に分類計上しますが、工事別従業員賃金手当の抽出は、作業報告書より抽出しますので建設業を熟知し、建設業特有の計算式で自動計算が可能なるシステムを有しますので、そのシステムの購入が最も経済的かと思われます。
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Ⅱ.
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建設業会計で最も重要な、共通原価の直接費の工事名は、共通原価(直接費)とし、主勘定は当期完成工事原価、補助科目は直接現場経費科目に限定し、直接費の計算式は、共通原価直接費(補助科目別)÷完成工事高計×工事別完成工事高=共通原価直接費(補助科目別)となり、完工原価に共通原価の直接費を加算し、当期完成工事原価となります。
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Ⅲ.
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共通原価の間接経費配賦額とは、工事別に分類不可能な現場経費を称しますが、工事名は共通原価(間接費)、主勘定は未成工事支出金、補助科目は当該間接経費配賦額科目とし、工事別計算式は、共通原価の間接費(補助科目)÷未成工事賃金手当+完成工事賃金手当+共通原価賃金手当×当該工事別賃金手当=共通原価間接経費配賦額(補助科目別)と称し、完工原価に共通原価の間接経費配賦額を加算し、当期完成工事原価と称します。
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| 建設業法に定められる建設原価の主勘定と補助科目とは |
Ⅰ.工事名毎の直接費
(工事名毎に分類すべき経費)
主勘定:未成工事支出金
01.材料費
02.従業員賃金手当
03.外注費
04.仮設経費
05.工具消耗品費
06.設計費
07.運搬費
08.租税公課
09.事務・消耗品費
10.通信交通費
11.交際費
12.補償費
13.雑費
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Ⅱ.共通原価の直接費
(完工原価に付随する経費)
主勘定:当期完成工事原価
01.従業員賃金手当
02.外注費
03.仮設経費
04.工具消耗品費
05.設計費
06.運搬費
07.租税公課
08.事務用消耗品費
09.動力用水光熱費
10.通信交通費
11.交際費
12.補償費
13.雑費
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Ⅲ.共通原価の間接費
(工事毎に分類不能な経費)
主勘定:未成工事支出金
01.従業員賞与
02.退職金
03.法定福利費(*)
04.福利厚生費
05.機械等経費(*)
06.労務管理費
07.減価償却費
08.地代家賃
09.保険料(*)
10.修繕維持費
※. 共通原価間接費の補助科目(*)は、工事名との組合せで直接費に変貌します。
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第四章:建設財務仕訳伝票記載例とは…
1. 未 成 工 事 進 捗 中 (完成工事高(売上高)が未計上状態)
A 未成工事直接現場経費
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補助科目
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材料費、従業員賃金手当、外注費、仮設経費、工具消耗品費、設計費、運搬費、租税公課、事務消耗品費、動力用水光熱費、通信交通費、交際費、補償費、雑費、
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工事名 主勘定 補助科目
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○○○○○増築電設 未成工事支出金 材料費〜雑費
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B 共通原価直接現場経費
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工事名 主勘定 補助科目
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○○ビル改修電設(設計積算等に類する契約前の現場名) 未成工事支出金 材料費〜雑費
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C 未成工事振替完工原価
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補助科目
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従業員賞与、退職金、法定福利費、福利厚生費、機械等経費(燃料費)、労務管理費、減価償却費、地代家賃、保険料、修繕維持費、
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工事名 主勘定 補助科目
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共 通 原 価 の 内 未成工事支出金 賞与〜修繕維持費
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2.未成工事振替完工原価 (完成工事高(売上高)計上状態)
A 完成工事直接現場経費
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補助科目
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材料費、従業員賃金手当、外注費、仮設経費、工具消耗品費、設計費、運搬費、租税公課、事務消耗品費、動力用水光熱費、通信交通費、交際費、補償費、雑費、
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工事名 主勘定 補助科目
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○○○○○増築電設 当期完成工事原価 材料費〜雑費
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B 完成工事間接費配賦額
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補助科目
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従業員賞与、退職金、法定福利費、福利厚生費、機械等経費(燃料費)、労務管理費、減価償却費、地代家賃、保険料、修繕維持費、
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工事名 主勘定 補助科目
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○○○○○増築電設 当期完成工事原価 賞与〜修繕維持費
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商的工業簿記最大の欠陥は曖昧な洗い替えにあります。決算期末に当期完成工事高の有無に拘わらず混在する、未成工事支出金の直接現場経費、同、間接経費配賦額を洗い替えと称し振り替えますが、材料費、外注費、仮設経費、運搬費等は相手帳票(請求書等)に工事名が記載され容易でも、以外の従業員賃金手当〜雑費に至る直接現場経費、従業員賃金手当に値する、従業員賞与〜修繕維持費等の間接経費配賦額の相手帳票には、工事名の記載はなく洗い替えが可能なものばかりではありません。
決算期末迄完成工事原価とされていた直間現場経費を、仕掛工事とする洗い替え前の貸借対照表に問題があり、前期未成工事支出金の計上は有すれど、当期未成工事支出金はなく、完成工事原価報告書の損益計算書に混在してしいます。その時点まで損益が確定せぬ建設業者程、確定申告月に納付する税金の資金繰りに、定量評価(決算書)の金融機関に奔走する弊害が生じます。
私共は、共通原価直接費、従業員賃金手当に付随する間接経費配賦額は損益計算書に、未成工事賃金手当に付随する間接経費配賦額は、棚卸資産の未成工事支出金に、完成工事高の計上により、未成工事支出金が補助科目毎に損益計算書に移行する仕組みを確立しております。
未成工事進捗中は、工事別材料費、従業員賃金手当、外注費、仮設経費、工具・消耗品費、設計費、運搬費、租税公課、事務・消耗品費、通信交通費、補償費、雑費等の直接現場経費に、従業員賃金手当に付随する従業員賞与、退職金、法定福利費、福利厚生費、機械等経費、労務管理費(求人費用)、減価償却費、地代家賃、保険料、修繕維持費等の間接経費配賦額を補助科目毎に加算し、工事別未成工事支出金と称します。
工事別完成工事高(売上高)の計上後、引合現調、設計積算現調等、夜業明休、振替休日等の従業員賃金手当、工具・消耗品費、租税公課、事務消耗品費、通信交通費、交際費、雑費等の共通原価直接費に従業員賃金手当に付随する従業員賞与〜修繕維持費を当期完成工事原価の損益計算書に補助科目毎に加算、工事別に分類し工事別損益計算書(代人別)と称します。
作業日報は税法上の保管帳票であるにも拘わらず、建設業経営者は従事員に、作業日報すら記載させらねぬ指揮権喪失者が大半です。是非はともかく、自社の受註優先順位を、競争相手に夜が更ける迄説得した談合の全盛時、一体何を学んできたのでしょうか・・・、作業日報は利益の宝庫であり、売上漏れ検収元帳であることを知らぬ経営者があまりにも多いのには呆れてものも言えません。
建設財務を専門学校等で学びますと、授業料、人件費等を考慮し、システムの導入が最も経済的であるようです。しかし世の中偽装品の氾濫で、商的工業簿記の会計ソフトを建設業版、あるいは建設財務と称し販売されていますが、実践の建設業経営に程遠いソフト会社の商品が多く、また購入する側も何の不具合も感じないのが建設業の特徴であるようです。
一般的な会計ソフトはとにかく安く、販売業の商業簿記以外は、何でもありの商的工業簿記の改造版、購入者に余程の知識がない限り、まず建設業には使えません。建設業経理事務士の資格取得者が、何故に商的工業簿記で建設財務を行うのか、建設業法を無視する建設業経理事務士を、当研究所では「建設業無視士」と称し、これが国家資格かとあきれてものが言えません。
第五章:進行基準の税変更と対応…
今般国際法に依る税法の改正により、建設業の収益基準は、契約額が10億円以上(平成21年3月迄は50億円以上)或いは契約額に関わらず、実質工期が一年以上(平成21年3月迄は2年以上)が工事進行基準となり、以外は工事完成基準と称し、その特徴は竣功時に一度しか完成工事高(売上高)を計上出来ない原則があります。
平成22年4月1日の事業年度(当年決算期の翌月)より新税法が施行され、決算期末の出来高(請求)は、総原価+管理販売費以上とされ、税法上の貸倒引当金の対象になりました。
自社が請負う建設工事は、契約額が10億円未満、実質工期が一年未満の為、非該当と思われがちな進行基準の落し穴は、税法上の金額工期に関わらず、ゼネコン等(全ての下請工事)の期中出来高請求は曖昧でも否認せず、決算期末に未成工事となる出来高(請求)は、元請業者の入金の有無に拘わらず、期末総原価以上となりました。
決算期末に一年未満の未成工事を、進行基準としない方法は、未成工事受入金(前受金)として請求する手法もありますが、とにかく出来高請求にこだわる元請業者とに弊害が生じるばかりでなく、資金繰等にかなりの影響がでかねません。実質工期が一年以上の期末出来高は原価以上、一年未満は原価以下では、増収が目的の税法改正に意味がなく、決算期末の出来高(請求)は、金額工期に関わらず、総括原価以上となりました。
新税法の逆手の一例として、契約額が5億円、期末原価が1億円にも拘わらず、3億円の出来高を可能にし、前期粉飾した過剰出来高を、翌期以後の竣功を待たずして、信頼できる実行予算表を有すれば、期中損失が可能になる新税法は、ザル法と称しても過言でなく、併せて、実行予算表の重大さを再認識させられます。
しかしダンピング受註が起因する、契約額を1億円と仮定して、決算期末の出来高請求が、8千5百万円、期末出来高総原価が9千万円では、管理販売費を加算して、1億円前後の出来高(請求)となりかねず、数百万円の残額を残さぬ限り、進行基準はなり立たず、やむなく外注費等を当外工事に移行したり、短期貸付金(完工後振替)に振り替えるなど、とにかく期中原価の減額を計らねば、決算書の作成に影響がでかねません。
重ねて翌期信頼できる実行積算調書を作成し、期中損失を可能とする以外に方法がなく、併せて進行基準の出来高(請求)が工事原価以上である旨を証明する、工事別未成工事進捗表、工事台帳、工事別実行積算調書など、何れかの提出が義務づけられ、曖昧な原価帳票では追徴課税の対象になりかねません。
第六章:共通原価直間経費配賦理論とは…
建設原価には、直接工事費と共通原価があり、共通原価には直接費、同、間接経費配賦額があります。共通原価の直間現場経費は、毎月必ず発生し、間接経費配賦額は貸借対照表の棚卸資産の未成工事支出金に、完成工事高の計上後は、直接工事費に共通原価の直接費を補助科目毎に加算し、当期完成工事原価報告書の損益計算書となります。
共通原価の配賦理論は、建設業の原価三表である、実行予算管理表、未成工事進捗表、工事別損益計算書等の補助科目毎計が、未成工事進捗中は、貸借対照表の棚卸資産の未成工事支出金に、完工処理後は損益計算書に補助科目毎に移行する主勘定が当期完成工事原価であり、現場経費の仕訳伝票登録時に瞬時に共通原価間接経費配賦額の再計算を行う等、決算期末に曖昧な洗い替えの必要はありません。
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建設業総合経営システム「金次郎」は、決算期末に拘わらず仕掛工事(未成工事支出金)の洗い替えを一切必要としないのは、日常記載される建設原価の直接原価経費に併せ、間接現場経費配賦額を瞬時に計算する計算式(特許)にあります。
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共通原価の直接費の計算式は、共通原価直接費補助科目÷当期完成工事高(売上高)×工事別完工原価補助科目になります。当期完成工事原価報告書の損益計算書に、共通原価直間経費に満たない完成工事高が発生しますと、工事別損益計算書の当該工事名は大幅な損失が生じますが、完成工事高の増額により正常の共通原価の値に戻ります
共通原価の間接経費配賦額は、未成工事繰越金、共通原価発生額、未成工事支出金、当期完工原価に分類され、完成工事高の計上により、合計残高試算表の貸借対照表の棚卸資産である未成工事支出金が、損益計算書の当期完成工事原価に補助科目毎の自動振り替えを可能にし、この帳票名と計算式を工事別未成工事間接現場経費配賦理論と称します。
配賦計算式は、未成工事進捗中の工事別賃金手当+当期完工原価賃金手当+共通原価賃金手当の合計額を、共通原価直接費補助科目÷未成工事間接経費の補助科目毎に乗算(×)し、未成工事間接経費配賦額、合算したものを未成工事支出金と称します。
契約締結後の実行積算、工種別実行予算管理表などの作成賃金手当は該当工事名の賃金手当になります。共通原価の賃金手当に付随する、社会保険料等の法定福利費、同・従業員賞与、福利厚生費、機械等経費等の配賦額は、未成工事進捗中に限り、未成工事間接現場経費配賦率額と称し、完成工事高の計上により、共通原価の間接経費配賦額と呼称が異なります。
当所顧問先の共通原価の直接費は、契約額の3.85%額、同、間接経費配賦額は、完成工事賃金手当の40.5%額が平均値です。一例として契約額が1億円、直工賃金手当を2,500万円としてシミュレーションを試みます。
この場合の共通原価の直接費は、契約額の3.85%額で385万円、同、間接経費配賦額は、完工賃金手当の40.5%額の10,125千円が、原価三表に欠落ともなれば、合わせて、13,975千円(13.975%)が工種別実行予算管理表、工事別損益計算書などに現実と異なる損失が発生します。
この損失こそ共通原価の直間経費配賦額の欠落であり、同じ粗利30%でも共通原価の直間経費配賦額が、13.975%額となる残額は、16.025%額に減額します。それ以上の管理販売費を必要とする中小建設業者程営業損失を生じるのが特徴です。
自社の共通原価の直接費、同、間接経費配賦額、管理販売費の構成比は、毎年確定申告後に翌期の原価三表に反映させる必要があり、併せて営業外費用用も念頭に入れねばなりません。
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共通原価直接費、一般管理費販売費は、完成工事高(売上高)が増額すれば減少し、減額すれば増額します。共通原価間接費も同様に、賃金手当が増額すれば減少し減額すれば増額します。高名なソフトメ−カ−は、共通原価直間経費配賦理論はなく、同様の現場経費を共通費と称し、経理担当者が、完成工事高・材料費・従業員賃金手当・外注費・機械等経費から自由に選択が可能とのことですが、担当者が異なると何故に、直接工事費、仮設工事費、共通仮設費、現場管理費、共通原価直間現場経費の款項目の現場経費が異なるのか、私共には理解出来ません。尚、教材を必要とする事業所は、電話連絡を頂ければ即日郵送致します。
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第七章:共通原価直間接現場経費配賦率表とは…
共通原価直間経費配賦率表
共 通 原 価・配 賦 額
平成19年10月現在
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共通原価の直接費、同・間接経費配賦額は、勘定科目別、前期未成工事繰越額、当期共通原価発生額、未成工事間接経費配賦額、完成工事直間経費配賦額を補助科目毎に集計します。工事別未成工事進捗表、工事別損益計算書の画面検収、帳票プリント時に建設業特有の計算式で瞬時に計上します。
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Ⅰ. 共通原価の直接費
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主勘定:当期完成工事原価、補助科目:材料費、従業員賃金手当、外注費、仮設経費、具消耗品費、設計費、運搬費、租税公課、事務消耗品費、動力用水光熱費、通信交通費、交際費、補償費、雑費、
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工 事 名 共 通 原 価 の 内 主 勘 定 当期完成工事原価 補助科目 材料費〜雑費
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Ⅱ. 共通原価の間接費
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主勘定:未成工事支出金、補助科目:従業員賞与、退職金、法定福利費(直接費併用)、福利厚生費、機械等経費(燃料費等:直接費併用)、務管理費(求人費用)、減価償却費、地代家賃、保険料(直接費併用)、修繕維持費、 |
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工 事 名 共 通 原 価 の 内 主 勘 定 未成工事支出金 補助科目 従業員賞与〜修繕維持費
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それは誰がなし得るのか…
建設業者が自社の完工原価の至近数値を予測するには、建設業簿記で会計業務を行う必要があり、建設業簿記の特徴は、未成工事進捗中の現場経費を、商的工業簿記では省略される、主勘定が未成工事支出金とする主勘定が、合計残高試算表の棚卸資産になり、完成工事高(売上高)の計上により、損益計算書に移行させる主勘定が当期完成工事原価であり、補助科目毎の仕訳伝票の自動振り替えを可能とする手法が用いられます。
この時点でも未成工事間接現場経費配賦額の洗い替えは避けられず、この洗い替えを不要にし、全ての原価三表を合計残高試算表の貸借対照表、当期完成工事原価報告書の損益計算書に補助科目毎に違算なく合致させるには、共通原価直間経費配賦額などの情報が必要になります。
※.画面①
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画面①参照:工事別賃金手当にあわせ、共通原価の賃金手当の自動抽出は、作業日報の登録が必須であり、従事員賃金手当締め切り後の自動計算で可能になります。この自動計算の手法に依り、従業員賃金手当支払支出明細書、賃金台帳兼就業日時数管理表、従事員年末調整基礎資料などが作成されます。
建設原価員の賃金手当は工事別に、以外は共通原価直接費の賃金手当とし、管理販売費の役員報酬、従事員給与手当、雑給、従事員賞与、退職金等の情報を建設財務に勘定科目別の自動転送を可能にしました。
(工事別賃金手当集計表、工事別賃金手当残高表、共通原価賃金手当集計表、工事別残業食事手当集計表参照)
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※.画面②
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画面②参照:建原管理より自動転送される工事別賃金手当、共通原価の賃金手当、管理販売員の役員報酬、給与手当、雑給等の仕訳伝票も自動作成され、建設業の原価三表など、全ての原価帳票を工事別に集約するには、全ての現場経費の仕訳伝票を工事別に作成する必要があります。
商的工業簿記最大の欠陥である、決算期末の仕掛工事の洗い替えを不要にし、工事別原価三表だけでなく、それに付随する全ての原価帳票に違算なく自動作成を可能にします。工事別仕訳伝票の作成には、ファンクションキーで表示する工事件名(件名・少額件名・小口件名・営繕諸口・雑件諸口)の選定と、受註形態を選定する仕組みになっています。この登録で得た情報が原価三表に反映される画面です。
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※.画面③
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画面③参照:建設原価員賃金手当以外の共通原価直間現場経費の仕訳伝票作成は、ファンクションキーで表示される直接経費科目、あるいは間接経費配賦額科目の選択が、全帳票に反映され労働保険一括有期申告基礎資料等を自動作成します。
併せて仕訳伝票の入力一例として一定額以上の受取利息配当金の仕訳伝票計上時に、国税・地方税の受取利息配当税の起票漏れ、或いは未成工事受入金を有する完成工事高の計上に、未成工事受入金の相殺伝票の起票漏れ等を始めとし、数拾種類のガイダンス機能も搭載されています。
主なる出力帳票は、合計残高試算表の貸借対照表、当期完成工事原価報書の損益計算書、決算報告書、勘定科目別内訳明細書、有形固定資産台帳、繰延資産償却台帳、建設仮勘定、消費税申告基礎資料、未成工事間接現経費配賦率額表、法人の事業概況説明基礎資料、租税公課内訳明細書、(交通反則金等罰金調書)、受取利息配当金明細書(法人事業税等から相殺可能な地方税、相殺不可の国税の検証)、寄付金等の限度額を精査する総定元帳等、税額計算に必要な全ての管理帳票の自動抽出を可能にし、併せて、税調取引資料箋、決算変更届時に諸官公庁に提出する工事経歴書、事業報告書(旧営業報告書、完成工事高が、10億円以上は、(指定用紙)等の自動抽出を可能にします。
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終 わ り に
私共は長年に亘り、一覧式工事別未成工事進捗表の正誤性を対比する相手帳票が合計残高試算表(貸借対照表)の棚卸資産の未成工事支出金であり、完成工事高の計上に依り、一覧式工事別損益計算書、顧客別損益計算書等の正誤性を対比する相手帳票は、当期完成工事原価報告書の損益計算書に補助科目計毎に合致確立する手法を研究してきましたが、全てが曖昧であり、目的とは異なる結果を生みました。
その曖昧さは、業種が異なれば簿記が異なり、簿記が異なれば原価が異なるに、対応出来ない製造業の工業簿記から、主勘定を取り除き簡素化を図った、商的工業簿記(曖昧な洗い替え)の欠陥と知り、その欠陥の是正が建設業簿記との出会いを生みました。結果的に全ての原価管理帳票(除く実行予算管理表、資金繰表)は作るのではなく、建設財務の副産物として、自動で出来る手法を確立しました。
しかし今後の建設業経営の絶対条件である、自社の完工原価の至近数値を予測する実行予算管理表も同様に、未成工事進捗中は、合計残高試算表の棚卸資産(未成工事支出金)に、完成工事高の計上後は、当期完成工事原価の損益計算書に補助科目計毎に、最小の違算で合致確立する手法の研究が、これを可能にする手法を生みました。
その理論を解り安く説明する一例として、某建設業者は公共工事(元請下請に拘わらず)一件名を受註施工中と仮定する、実行予算管理表の詳細は、直接工事費、仮設工事費、共通仮設費、現場管理費に至る、部材・外注費は最終仕入額(ネット)を記載。
併せて、共通原価の直接費は、契約金額の3.85%額(弊所顧問先の平均共通原価直接費の構成比)の計算式は、仮定契約金額を、56、805、000円に設定、契約金額×3.85%=2,186,992円を共通原価の直接費欄に記載。
共通原価の間接費は、仮定直工労務費を8,500,000円とする、40.05%額(弊所顧問先平均共通原価間接費の構成比)の計算式は、(税込消費税を税なし消費税とする同様の計算式)直工労務費、8,500,000÷1.405(弊所顧問先平均共通原価間接費の構成比)=6,049,822円が、実行予算表の直工労務費となり、差額の2,450,178円は、共通原価の間接費欄に記載。
現場管理費の代人賃金手当、補助代人賃金手当も同様に、共通原価の間接費を抽出し、当該款項目毎に記載する計算式の未成工事進捗中は、合計残高試算表の棚卸資産(未成工事支出金)に、完成工事高の計上に依り、当期完成工事原価の損益計算書の補助科目計毎に、最少の違算で合致確立する手法を確立しました。
中小建設業の経営者は、長年に亘り習得した技術を礎に創業し、お値段以上の「ニトリ」同様に顧客に貢献し、休日もなく働いて得た信用が今日を支るに至っております。自註をすれば如何にこなすかが頭を過ぎり、収支(商売)迄がドンブリ勘定の傾向は、職人上がりが生んだ、気質なのかも知れません。
今後の建設業の動向は、従来の設計積算、現場管理に併せ、最も重要な自社の完工原価の至近数値を予測する、知的財産を有する意外に継承を望む術もなく、大半の小零細建設業経営者は、自社の建設財務に乏しいドンブリ経営が現状では、倒産廃業の延命であるに過ぎません。