実行予算表の作成時よく見落とされる項目に、仕訳伝票として処理される、共通原価という重要な現場経費があります。共通原価の仕訳には、直間現場経費があり、未成工事・完成工事を問わず、いかなる少額の工事にも、必ず配賦されるべき現場経費であり、この計数の根元を理解せず、共通原価を見落とし実行予算表の作成を行なうと、一般管理費及び販売費を見落とす以上の大損失につながります。
 「金次郎」のなかでも、共通原価配賦理論は最も重要な実践理論です。
 本来、建設業は口頭又は文書で契約が締結後の現場経費から、工事台帳等に記載するのが原則ですが、契約前の設計積算現調・設計積算などの人件費、これに属する全ての現場経費は共通原価配賦額として、実行予算管理表の下段に一段、項目を設け案分配賦する必要があります。実行予算管理表を作成後、月次起工額が追従し、完成工事高の計上により、実行予算管理表と工事別損益計算書を比較検証し、可能な限りのプラマイを縮める技術を養う必要があります。

 共通原価の一例を電気工事業で比較すると、工事規模にも異なりますが、13件名の積算に、1件の契約では、12件の積算人件費が13件目の粗利を喰いつくす結果となります。
 自社の前年の共通原価の配賦率を従事員に徹底教育し、可能な限り共通原価の直間現場経費を最小限に抑える努力が必要です。

工事ごとに分類される共通原価には、直接現場経費と間接現場経費の2通りの仕訳があります。
共通原価の直接現場経費の工事名は、共通原価と限定され、直接現場経費には間接現場経費の補助科目の登録は不可となっています。

直接現場経費
引合い、人工、工料(歩掛り等)により予測可能な
・材料費
・代人賃金手当
・直営労務費
・外注費
・仮設経費
・設計費
・運搬費
・租税公課
・補償費
などに加え、予測不可能な
・工具消耗品費
・事務用消耗品費
・通信交通費
・交際費
・雑費
などがあります。

間接現場経費
・従業員賞与
・退職金
・法定福利費
・福利厚生費
・機械等経費
・労務管理費
・減価償却費
・地代家賃
・保険料
・修繕維持費
などがあります。

 これらの現場経費は、共通原価の直接現場経費の配賦理論により、金次郎独自の計算式で瞬時に案分配賦されます。契約金額の3%〜4%の平均率額を工事別、補助科目ごとに、未成工事進捗表、工事別損益計算書、工事台帳などに配賦し、当該仕訳伝票の自動発行、画面検収、帳票プリントを行います。 同じ売上に起因しない前期完工高の瑕疵担保の修繕費は、工事ごとに前期損益修正損で仕訳をするのを原則としています。

共通原価の間接現場経費の計算式は以下の表示によるものです。
 「金次郎」は、共通原価である煩雑な仕訳伝票の発行は、全自動で対応しています。

 「金次郎」は、財務管理会計システムのなかで、工事に類する仕訳伝票(共通原価)には、工事名を入力することで、完工未収金検収画面の表示と帳票プリントができます。さらに、得意先別、工事毎の回収状況、工事別(担当代人別)の損益計算書、棒線グラフの画面表示と帳票プリントも可能となります。
 機能と画面については、"五大管理システムの機能と画面 "を参照してください。

仕訳伝票の誤入力を防ぐ為、
・完工未収金(売掛金)
・工事未払金(買掛金)
・未払金
・未払費用
などの過入金および過払金の警告メッセージを表示します。
併せて、勘定科目残高を検証し、煩雑な仕訳伝票である、
・有形固定資産の月次減価償却累計額
・未成工事の完工処理
・完工振戻処理
・現場別賃金手当
・賞与
・退職金等の発生支払伝票処理
等の仕訳伝票を自動発行し、損益に類する全ての帳票は勘定科目(補助科目)ごとに決算書と合致します。なお、完工処理後の勘定科目の変更などは、その都度振戻しを実行せず再計算機能が起動します。

 この共通原価の正確な計上こそが、実行予算表の比較検証を可能にし、完成工事原価のシュミレーションへとつながります。