建設業会計最大の関門は、未成工事進捗表・工事台帳・工事別損益計算書(含む代人別)などに、当該工事名毎に賃金手当を配分することです。当然、従業員ごとの作業日報を作成することが必須条件になります。建設業は口答または文書において、契約が締結する以前の引合現調・設計積算現調・設計積算など、売上に属さない賃金手当は共通原価直接現場経費の賃金となり、前期完工高の暇疵担保に類する賃金手当は、前期損益修正損の工事別賃金手当になります。
理論上は簡単に思えますが、これを手作業で行うと並大抵のことではありません。
「金次郎」の工事別賃金手当起動理論は、建設業特有の原価計算を行っています。月給者の日額は、法定休日・社規休日を相殺した出勤日数を月額賃金で除算した値とし、就業時間で再除算した値を時給としています。
●月給日給者を問わず当該文言が、欠勤・半休(半日有休)・有休(有給休暇)・振休(振替休日)・代休・特休(特別休暇半日又は1日)のフラグを選択した場合は、
共通原価の賃金手当となり、欠勤者に有給休暇がない場合で、欠勤(有償)を選択した場合は、従業員時数月合計自動計算画面で賃金手当から相殺するか否かの選択が可能です。欠勤(無償)のフラグを選択した場合は相殺対象外の共通原価の賃金手当となり、従業員時数月合計自動計算画面には相殺表示はされません。
●当該文言を、遅刻・早退・外出・特例・特勤のフラグを選択した場合は、
月次出勤時数より当該時数を相殺した時数で除算した値が、時給および日額となります。従業員時数月合計自動計算画面において、特例・特勤以外の遅早外出を賃金手当から相殺する額が日額に達した場合は、月次通勤定期代の日額もあわせて相殺するか否かの選択が可能です。
日本の企業は月給でも、有給休暇で相殺不可の欠勤や遅早外出を賃金手当から相殺しない会社は僅か2.6%に過ぎません。日給者の時給は、日額賃金を就業時数で除算した値とし、半日未満の出勤は半日、半日以上1日未満は1日となります。(時給ではないため)不足時数は従業員時数月合計自動計算画面で、賃金手当から相殺するか否かの選択が可能であり、賃金手当から相殺する場合は時給扱いとなります。また、相殺しない場合の不足時数は実働時数に案分加算するため、不足時間のみ日給および時給が高額になります。なお、雨天出戻りを除き相殺しない場合は、共通原価とする理論も一概に過ちではありませんが、金次郎は共通原価の増額を防ぐため、日給者の日額は敢えて共通原価を使用しません。日給者の有給休暇は日給が保証され、有給休暇が減日されますので特に注意して下さい。
●不足時数を遅早外出以外(特例・特勤等)のフラグを使用した場合は、
相殺対象外となり、従業員時数月合計自動計算画面では相殺されません。月給日給者を問わず、早朝出勤(時間外)は通常勤務の前倒しとなるため、終了時間も同様となり、以降は時間外の対象になります。早朝出勤が深夜の場合は25%の割増賃金になり、深夜業前に(通常勤務・時間外)実働時数が8時間以上ある場合は50%の割増賃金になります。
●日給および月給者が平日勤務中に、遅・早・外出時数を有する場合は、
時間外時数と相殺されます。当日の時間外時数で相殺不足時数を、翌日以降の時間外時数で相殺することは労基上禁じられていますので注意して下さい。なお、時間外相殺不足時数は共通原価直接現場経費の賃金手当となります。
「金次郎」は、残深業手当を時間で支給する箱物業者と、回数で支給する鉄道・道路関連業者など(管理販売員は時数・管理販売員の建管共用は回時併設)どちらかの選択が可能になっています。
通常の箱物業者の夜業手当は、時間外と深夜業手当を累計計上しますが、鉄道、道路関連特殊工事などは、残業と深夜業あわせて夜業回数単価としています。一例として、残業開始時間より22時までの作業時間は、時間外単価とし、22時以降、翌朝5時までは時間外と深夜業を併設し夜業回数単価としています。また、当日の0時以降5時までも同様であり、5時以降は時間外手当を加算する会社と、前当日を問わず始業時間までを回数単価にしたり、前日からの場合は翌日の5時まで、当日の場合は始業時間までなど、退社後に緊急出勤などの退勤外勤務、退勤外深夜勤務など、会社により異なることも考慮しなければなりません。また、電車線などの夜業回数単価と、箱者などの残深業の時数単価を併設可能になるシステムは現状では構築されておりません。
●自社の給与計算とシステムの賃金手当が異なる場合は、
給与手当明細書で改竄後、自動的に当該工事名の賃金手当も連動修正する機能を搭載しています。加えて、22時以降0時までの作業時間は、夜業回数手当(月給者は日額の50%の半額、日給者は日額の50%の割増額の半額125%額)が変動するようですが、原則論では就業時間(含む時間外)を満たしている場合は、月給日給を問わず150%額、就業時間内に遅早外出が2時間以上ある場合は、月給日給を問わず125%額となりますが、就業時間の有無にかかわらず、月給者は150%、日給者も同額が業界通念であるようです。
●翌日の明休に対応し、フラグ(旗)を立てるタイミングは、
会社により異なりますので、回数単価の設定会社は22時以降翌日の2時までの作業時間を有する場合となり、時数単価の設定会社は、深夜業が5時間以上あるいは、夜業時数が就業時数を満たしている場合などがあり、フラグの条件を甘くせざるを得ないのが現状です。
さらに、夜業明休を取るか、明休出勤にするかは、翌日の作業日報で確定されますが、夜業明休の場合は、それを起因とする前日の工事名の賃金を当日に入力する必要があります。翌日は明休にもかかわらず、ユーザーの明休条件と異なる場合もあると思われますし、明休でないのに明休とする場合などを考えますと、誤謬チェックに掛かった場合でも、正誤表を修正せず、強制登録を可能とする汎用性も考慮しなければなりません。加えて、前日の作業日報を修正すれば、翌日の作業日報の明休修正を促すメッセージの表示、導入時前日の作業日報に夜業明休となるべき入力も考慮しなければなりません。
夜業明休の日額賃金は、共通原価直接費の賃金手当に、夜業明休出勤手当は、当日の工事名の賃金手当となるのが原則のようです。日給者の夜業明休は原則として無給ですが、会社により支給の有無や支給額が異なるなど、全自動は不可能のようです。夜業明休および夜業明休出勤手当を別途支給する場合は、作業日報入力時に当該者が明休である旨を入力する必要がありますので、半自動以外の方法はないようです。
一例として明休出勤手当の日額を別途支給する場合は、それを起因とする当日工事名の賃金手当に日給者は100%、月給者も同様の額が加算されます。
ユーザーの皆様に安心して会計データを運用していただけるように、「金次郎」は、これまでに、数拾社におよぶ膨大な実データの解析と、20数余年に亘る運用ノウハウの蓄積を行っており、精緻な理論の正確な稼働を実現しています。