建設業経理事務士の実体とは
 現代の簿記の主流は、英米式の発生主義であり、建設業は建設業簿記で発生主義の会計業務が原則にも拘わらず、未だに商的工業簿記の現金主義が主流です。
 自社の会計業務は、経営指針を求める管理会計では無く、税務署等に申告する為の財務会計に過ぎず、収益、費用であれば勘定科目が何であれ、費用は経費、収益は売上等、意に介さないようです。
 決算期末に洗い替と称する振替業務を行う以前の未成工事支出金は、完工原価の経費であり、未成工事受入金も完成工事高(売上)同様であります。月次決算が必須条件である建設業が、この有様では実行予算管理表、工事別損益計算書等の計数は、何を以ての計数管理か理解に苦しみます。むろん共通原価間接現場経費の配賦率額も無計上です。その結果、合計残高試算表の月次損益計算書は無用の産物となり、ドンブリ実行予算にドンブリ原価を主流とする建設業界は、時節柄ダンピング業者が横行するのも止むを得ない現状です。

 リース料の総額を償却資産として減価償却をしたり、前払費用の雇用保険料、一括有期の労働災害保険料は、全てが損金科目として計上され、総体的に約20%前後の仕訳伝票は、完全な脱漏であり、現金の現実残の相違は代表者の貸付金が定説であります。
 税理士に当該月の仕訳伝票を提供する前に、合計残高試算表を作成し、現実残を照合する程度の知識がなければ、建設業経理事務士の賃金は、雑事務程度の賃金が正当だと思われます。税理士に過失があるわけではなく、データを提供する企業側に原因があると思われます。
 専門職の経理事務士(資格の有無は無関係)がこの有様では、企業の発展は絶対に有り得ません。それを検証する財務知識も能力もなく、確定申告の過少税額にほくそ笑み、過小利益の起因を検証する努力も精神力も皆無に等しいのが中小建設業経営者のようです。

 決算書は企業発展の実体と歴史を表現し、資本の部では金銭の使い方を、負債資本の部では、使われた金銭の調達先を表現しております。総資本に対し自己資本は何割あるのか(最小目標3割強)総資本年間平均回転率(平均1.7〜2.3回転)等、自己資本から資本金を相殺し営業年数で除算、一年及び一ヶ月単位の稼ぎ高、一人当たりの月額稼ぎ高等を把握しなければなりません。
 小零細建設業者の目標値は、平均従事員数x約30万円(含む退職金)x営業年数+資本金が経営指針となり一例を挙げますと、10人の従事員で税引利益、年3百万円、営業年数が30年で9千万円+資本金が3千5百万円とすると、現状の自己資本は1億2千5百万円の企業となります。以上はほんの一例ですが、決算書は小説よりも奇なりでどんなに繕っても、明治維新の日本の犠牲者である、唐人お吉同様に取り返しのつかない遠い昔の夢でしか有りません。

 金次郎の開発の為、幾多のユーザーを巡回し、無料コンサルティングをしておりますが、大半のユーザーが原材料や貯蔵品の棚卸し、完工未収金の不良債権、有形固定資産の廃棄処理を行わず、車両運搬具、工具器具備品等の取得額は、如何に検証しても、支払利息、又は、消費税込価格としか思えない拾数円の端数が計上されております。言い換えれば、消費税迄を減価償却をしていることになります。

建設業者が金次郎で財務管理会計を行うと
1. 作業報告書(時間外・深夜業・夜業明休・遅早外出・有給休暇・特別休暇・私事欠勤・日宿直・緊急出動手当・特例・特別勤務等)を入力することで給与報酬支払支出明細書、賃金台帳兼年末調整基礎資料を作成し、財務管理会計に建設原価員は工事別残高表、管理販売員は勘定科目別に転送することに依り、全ての工事件名毎に賃金手当が自動配賦されます。
2. 工事に類する仕訳伝票には、工事名を入力することで、完工未収金検収画面及び帳票プリントには、得意先別、工事名毎の回収状況、工事別(担当代人別)の損益計算書、棒線グラフの画面表示帳票プリントが可能となります。
3. 仕訳伝票の誤入力を防ぐ為、完工未収金(売掛金)工事別未払金・未払金・未払費用(買掛金)等、過入金及過払金等は警告メッセージを表示、即、勘定科目残高を検証し、煩雑なる仕訳伝票(有形固定資産の月次減価償却累計額・未成工事の完工処理・完工振戻処理・現場別賃金手当・賞与・退職金等の発生支払伝票処理)の発行は自動処理し、損益に類する全ての帳票は勘定科目(補助科目)毎に決算書と合致致します。尚、完工処理後の勘定科目の変更等は、その都度振戻しを実行せず再計算機能が起動します。
4. 未成工事進捗表、未成工事間接現場経費配賦率表の作成に依り、当期完工原価から間接現場経費を未成工事支出金に自動振替しますので振替額のみ当期完工高の収益計上が図れます。


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以上は、ほんの一例ですが、建設業者は建設業簿記で会計業務を行う所似をご理解戴けたと思います。実践の建設業簿記の知識を有すれば、手動計算も可能と思われますが、合理化と省力化を踏まえ、システムの導入が望ましく、実践の管理会計業務が知的財産として身に就くと思われます。

 建設業界の経営者諸氏、税法上の申告書の作成は税理士に依頼し、自社の経営革新となる管理会計の実践を心掛けて戴きたく、建設業界の一例を失礼ながら記載させて戴きました。金次郎のユーザーに拘わらず、建設業界のダンピング受注が、倒産廃業特急列車の乗客になるとの認識を得ることが肝要です。建設業経営に於いて貴社のお役に立つことが御座いましたら何なりと電話等でご相談を承ります。


代表取締役 宮城弌寶